過去問
2022年(令和四年)度 修了考査過去問
2022年(令和四年)度の修了考査の過去問を掲載しました。
全33問。この60%である20問の正解をもって合格となります。
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【問題1】「建築物石綿含有建材に関する規制の返還」に関する①~④の4つの設問に対し、正しいものには〇、間違っているものには×とした回答として正しいものをイ~ニの中から一つ選びなさい
- 1975(昭和 50)年に石綿を、5 重量パーセントを超えて含有する吹き付け作業は原則禁止になった。
- 1995(平成 7)年の改正では石綿を、1 重量パーセントを超えて含有する吹き付け作業が原則 禁止された。
- 2006(平成 18)年には安衛令が改正され、石綿を、0.1 重量パーセントを超えて含有する製品 の製造等が禁止された。
- 2012(平成 24)年、石綿製品が全面禁止された。
選択 ① ② ③ ④ イ × ○ ○ ○ ロ ○ ○ ○ ○ ハ ○ × ○ ○ 二 ○ ○ × ○ 【問題2】「解体・改修工事に係る事前調査結果の届け出制度の改正」に関する①~④の記述のうち工事開始14日前までに労働基準監督署長に届け出なければならないものを一つ選びなさい。
- 解体工事部分の床面積の合計が80㎡以上の建築物の解体工事の事前調査の結果
- 材料費を含めた工事全体の請負金額が100万円以上の建築物の解体工事の事前調査の結果
- 船舶(総トン数20トン以上の船舶に限る)の解体工事又は改修工事の事前調査の結果
- 吹き付け石綿等(レベル1建材)、石綿含有保温材(レベル2)の除去等工事の計画
【問題3】「石綿の定義」に関する①~④の記述のうち不適切なものを一つ選びなさい。
- 石綿とは自然界に存在するケイ酸塩鉱物のうち繊維状を呈している物質の一部の総称である。
- 石綿は蛇紋石族石綿と角閃石族石綿に大別されるが、蛇紋石族石綿はクリソタイル1種類のみである。
- 角閃石系のアモサイトとクライドライトは、吹き付け石綿、石綿セメント菅、保温材、断熱材として使用されてきた。
- クリソタイルは殆ど全ての石綿製品の原料として使われてきた。世界で使われた石綿の約半数(50パーセント程度)を占める。
【問題4】「石綿による疾病」に関する①~④の記述のうち不適切なものを一つ選びなさい。
- 石綿粉塵は呼吸によって肺内に吸入され、末端の肺胞に達するが、これによって生じる疾患としては、石綿肺、肺がん、中皮腫、胸膜プラーク等がある。
- 一般大気の石綿濃度(総繊維数濃度)は0.1f/L~0.3f/Lであるが、石綿を扱う工場等の敷地境界に於いては大防法における規制基準として10f/Lが定められている。
- 中皮腫は石綿暴露との因果関係が非常に強く、潜伏期間は平均40年である。青石綿、茶石綿、白石綿の順に発症リスクが高く、また年齢が高いほど発症リスクが高くなる。
- 石綿肺がんに対する治療は一般の肺がんと同様であるが、中皮腫は現時点では根本的な治療法は無く、発症から5年以内にほとんど死亡に至る。また胸膜プラークは致命的な疾患ではない。
【問題5】「大気汚染防止法」及び「建築基準法」に関する①~④の記述のうち不適切なものを一つ選びなさい。
- 大防法は、大気汚染に関して、国民の健康を保護するとともに、生活環境を保全することを目的に1968(昭和43)年に制定された。
- 大防法に於いて特定建築材料(石綿含有建材)の使用の有無の調査が義務付けられているが、平成18年9月1日以降に着工した建築物の解体、改修工事の場合、特定建築材料の有無の目視による調査は不要とする。
- 事前調査に関する記録は解体等の作業に係る全ての事前調査を終了した日または分析調査を終了した日のうちいずれかの遅い日から1年間保存する。
- 建築物の増改築時には、原則として石綿の除去が義務付けられているが、増改築を行なう部分の床面積が増改築前の床面積の1/2を超えない場合、増改築を行なう部分以外の部分は、封じ込めや囲い込みの措置を行なうことが認められている。
【問題6】「石綿含有建材調査者の役割と中立性」及び「事前調査」に関する①~④の記述のうち正しいものを一つ選びなさい。
- 調査者の職責は依頼された調査範囲における限定された責務であるが、調査漏れのないよう十分に注意する必要がある。熟練者に於いては判断が困難な場合には推測による結論も時には必要である。
- 石綿飛散性の低い一戸建て住宅や木造住宅(3,300万棟)より、飛散性の高いS造、RC造(280万棟)を優先的な調査対象とし、その中でも建築時期の古い建築物、未成年者が長く滞在する建築物、災害時の緊急利用が求められる建築物を優先的な調査対象としている。
- 調査は石綿含有の有り無しの証明を行なうことを目的とし、その証明ができない場合には分析調査を行うか、石綿含有無しとみなすことが基本となる。
- 書面調査に必要な書面の全てが入手でき、細部にわたり詳細が把握できる書面があったため、この書面により調査を確定終了し、目視調査は省略した。
【問題7】「石綿含有建材の建築図面調査」の関する①~④の記述のうち不適切なものを一つ選びなさい。
- 建築図面から石綿含有建材の記載個所を効率的に見つけるための二つの方法には建築基準法の防火規制に着目する方法と、断熱や結露防止、吸音など設計者の設計思想や各建築部位に求められる性能に着目する方法がある。
- 建築基準法で定めている仕様は、設計を行う上での推奨値ではない。実際の設計では顧客の要求により,さらに高い水準の仕様が求められることが多い。
- 建築図面に記載されている石綿含有建材がそのまま使用されているとは限らず、逆に建築図面に記載されていない石綿含有建材が使用されている場合もある。
- 石綿含有建材の建築図面調査に於いて竣工図は望ましくない。
【問題8】「建築基準法の防火規制」に関する①~④の記述のうち( )に入る数字の組み合わせとして正しいものをイ~ニの中から一つ選びなさい。
- 特殊建築物である劇場、映画館、演芸場、で当該用途に供する階が( )階以上の建築物は耐火 建築物としなければならない。
- 面積が( )㎡を超える建築物は耐火構造としなければならない。
- 延べ面積が3000㎡以下の建築物であっても( )階以上の建築物は耐火構造としなければならない。
- 防火区域、準防火区域において、「延焼のおそれのある部分」とは、隣地境界線及び道路の中心線よりそれぞれ1階にあっては3m以内、2階にあっては( )m以内の距離にある建物の部分をいう。
選択 ① ② ③ ④ イ 3 2000 3 3 ロ 4 2000 3 4 ハ 3 3000 4 5 二 4 4000 4 5 【問題9】「耐火性能」に関する①~④の記述のうち不適切なものを一つ選びなさい。
- 耐火建築物は階によって要求される耐火性能が異なる。最上階から数えた階数が多いほど、つまり低層階ほど高い耐火性能が要求される。
- 「主要構造部」は建築物の防火上の観点から定められているが「構造耐力上主要な部分」は建築物の力学的構造に関連する部分を定めている。
- 4階建て以上の建築物は防火区域内であれば耐火建築物としなければならないが、準防火区域内であれば耐火建築物にする必要はない。
- 建築基準法では国民の生命、健康及び財産の保護を図るため、建築物の防火規制を定めており、建築物の用途、規模、地域に応じて、建築物の主要構造部を耐火構造又は準耐火構造にすることなどが義務付けられている。
【問題10】「S造、RC造、SRC造」に関する①~④の記述のうち不適切なものを一つ選びなさい。
- 鉄骨造(S造)は建築物の主要構造部に鋼板、鋼管を用いた構造であり粘り強い。しかし火災による熱により簡単に強度を失う。この欠点を補うため梁や柱に耐火被覆を施し安全に使えるようにしている。
- 鉄筋コンクリート造(RC造)の梁や柱は鉄筋の周囲が熱に強いコンクリートで被覆されているため、コンクリートの厚さを調整することにより耐火構造とすることができ、吹付石綿や耐火被覆版で梁や柱を保護する必要がない。
- 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)もRC造と同様に、鉄筋や鉄骨は周囲がコンクリートで被覆されているため、コンクリートの厚さを調整することにより耐火構造とすることができ、吹付石綿や耐火被覆版で梁や柱を保護する必要はない。
- 一つの建物に複数の構造が併用されている場合、低層階がRC造やSRC造であれば、高層階がS造であっても梁や柱に耐火被覆を施す必要はない。
【問題11】「防火区画」に関する①~④の記述のうち正しいものを一つ選びなさい。
- 高層建築物における「面積区画」を「高層区画」と呼ぶが、これは一般の消防のはしご車が届かず、外部からの救助が期待できない20階以上の高層建築物の防火区画を小区画にすることにより、被害を最小限にとどめようとするものである。
- 階段や吹き抜けエレベーターのシャフトのような縦方向に抜けた部分(竪穴)は煙突効果によって有害な煙や火災の熱を容易に上階に伝えてしまう。竪穴とそれ以外の建築部分を耐火建築材料によって分離することを竪穴区画と呼ぶ。法令により5階以上の竪穴には竪穴区画が必要となる。
- 面積区画、高層区画、竪穴区画と接する外壁は区間相互間の延焼を防ぐため、接する部分を含み150㎝以上の部分を耐火構造または準耐火構造としなければならない。
- 各階スラブを耐火構造にすることで下階での火災の影響を受けないようにする。この耐火構造の床や壁に穴を開け、配管やケーブルを通した後は、周囲を埋めるなど耐火性能を損なわない様にしなければならない。この部分に吹付石綿が使われた例がある。
【問題12】「隙間ふさぎ」に関する次の記述の中の( ① )~( ④ )に入る文言の組み合わせとして正しいものをイ~ニの中から一つ選びなさい。
カーテンウォールとは( ① )可能な非耐力壁である。カーテンウォールと床スラブなどとの取り付け部には耐火性能を含めた区画の配慮が必要であり、床スラブとカーテンウォールの間を耐火性能のある( ② )で塞ぐのが一般的である。多くは( ③ )やモルタルなどを使用し隙間塞ぎを行なった。カーテンウォールにはpcカーテンウォールとメタルカーテンウォールがあるが( ④ )は納まりが複雑なので注意を要する。選択 ① ② ③ ④ イ 取り外し 不燃材 石綿含有
吹き付け材メタルカーテン
ウォールロ 持ち運び 断滅材 硬質ウレタン pcカーテン
ウォールハ 伸縮 難燃剤 グラスウール メタルカーテン
ウォール二 変形 遮断材 流動化処理剤 pcカーテン
ウォール【問題13】「防火材料」に関する①~④の記述のうち不適切なものを一つ選びなさい。
- 防火材料の要件は、1.燃焼しないこと、2.防火上有害な変形、溶融、亀裂、その他の損傷を生じないこと、3.避難上有害な煙またはガスを生じないことである。
- 防火材料には、不燃材料、準不燃材料、難燃材料がある。不燃材料の要求性能(加熱時間)は45分である。
- 3階建て以上の建物や、台所、浴室などで火を使用する設備・器具を用いる場合で一定条件の場合は、壁、天井の仕上げを防火上支障のないようにしなければならない。こうした規制を内装制限という。
- 内装制限により、天井、壁等に使用されたボード類や壁紙など多くの建材に石綿が使用され、不燃、準不燃、難燃材料の建材が製造された。
【問題14】「石綿の使用目的」に関する①~④の記述のうち不適切なものを一つ選びなさい。
- 保温を目的とした石綿含有建材には、石綿保温材、珪藻土保温材、等があるが、主に配管の曲がり部分や分岐部分に多く使われた。
- 機械室や電気室など騒音の発生する箇所では、壁・天井などに吸音目的で吹付け石綿が施工された。また、音響性能が要求されるホールや会議室・音楽教室などには石綿含有吹付けバーミキュライトや、石綿含有吹付けパーライトが仕上げ材を兼ねて使用された。
- 煙突の内部では高温や排ガスによる躯体への悪影響を防止するため、煙突内の排ガスがスムースに排気できるよう石綿含有グラスウールでライニングされた。
- 断熱を目的とした石綿含有建材には、吹きつけ石綿、石綿含有吹付けロックウール、石綿フェルト、等があり、建築物の最上階の天井のスラブ下、北側の壁、ピロティなどの天井スラブ下等に使用されていることが多い。
【問題15】「レベル1の吹付け工法」に関する①~④の記述のうち( )に入る文言の組み合わせとして正しいものをイ~ニの中から一つ選びなさい。
- 石綿含有吹付け( )は耐火構造認定を取得した経緯がないので、耐火被覆が必要とされる部位には使用されていない。
- 石綿含有ロックウール(湿式)は比重が大きく硬いので( )を目的とした吹付け石綿には使用されていないと推測できる。
- ロックウール業界では1980(昭和55)年に石綿含有吹付けロックウール(乾式)、1989(平成元年)には石綿含有吹付けロックウール(湿式)について、其々石綿の含有量を( )とした。
- 吹付け工法の種類には、吹付け石綿、乾式吹付け、半乾式吹付け、湿式吹付けの4つの工法があったが、現在、石綿無含有の吹付けロックウールが施工されているのは( )工法のみである。
選択 ① ② ③ ④ イ バーミキュライト 保温 0.02% 乾式 ロ パーライト 吸音 0 半乾式 ハ ロックウール 断熱 0.01% 湿式 二 パーライト 防火 0.1% 半乾式 【問題16】「吹付け工法」に関する①~④の記述のうち半乾式工法に該当するものを一つ選びなさい
- 石綿・ロックウール・セメントをあらかじめ工場で混合し、袋詰めした製品を現場に搬入する。圧送吹付け機にホースを接続し、吹付面に吹付ける際に霧状にした水やセメントスラリーを混合させ吹付ける工法。
- ロックウールとセメントスラリーを別々に圧送し、ホースの口先でロックウールを包み込むように噴霧しながら吹付面に付着させる工法。
- 現場でミキサー等を使用して基材(石綿、ロックウール、セメント)及び水と混合攪拌しモルタル状にした材料を圧送管で圧送し、ノズルの先端より圧送空気の力で吹付ける工法。
- 石綿とセメント系の結合材に水を加えたものを工場で混合し、吹付機を用いて吹付ける工法。
【問題17】「レベル2の石綿含有建材」に関する①~④の記述のうち( )に入る文言の組み合わせとして正しいものをイ~ニの中から一つ選びなさい。
- レベル2の石綿含有建材には、耐火被覆材( ① )断熱材、がある。
- 石綿含有耐火被覆材には、石綿含有耐火被覆版( ② )がある。
- 石綿含有保温材には珪藻土保温材( ③ )石綿含有パーライト保温材、がある。
- 石綿含有断熱材には煙突用石綿断熱材( ④ )がある。
選択 ① ② ③ ④ イ 調温材 フレキシブル
ボード石綿含有
石膏ボード石綿含有
スラグ
石膏版ロ 調湿材 ケイ酸
カルシウム板
第1種石綿含有
ルーフィング石綿発泡体 ハ 保温材 ケイ酸
カルシウム板
第2種石綿含有ケイ酸
カルシウム保温材屋根用折版裏
断熱材二 冷却材 石綿スレート版 石綿含有
スレートボード石綿含有
セメント板【問題18】「レベル3の石綿含有建材」に関する次の記述の中の( ① )~( ④ )に入る文言の組み合わせとして正しいものをイ~ニの中から一つ選びなさい。
輸入された石綿の大半はレベル3の石綿含有建材に使われている。1995年(平成7年)の石綿輸入量は18万トンであり、このうちの( ① )%がレベル3の石綿含有建材として使用されている。
製品となっている建材中の石綿含有率は( ② )%であることが多いことを考えると、実際の石綿含有建材の使用量は石綿輸入量の( ③ )倍程度と推測される。
レベル3とされている石綿含有建材の特徴は種類や品数がレベル1,2よりも圧倒的に( ④ )ことである。選択 ① ② ③ ④ イ 70 5~15 3 多い ロ 55 30~40 20 少ない ハ 60 1~5 25 少ない 二 93 5~15 10 多い 【問題19】「レベル3の建材」に関する①~④の記述のうち、不適切なものを一つ選びなさい。
- 「aマーク」は石綿含有1~5%を表す表示である。これは自主的な表示であるため、これがあれば石綿有りといえるが、なくても石綿無しとは言えないことに注意する。
- 煙突や臭気抜きとして使われる「石綿セメント円筒」は石綿及びセメントを原料として製造されるレベル3の成型品であり、断熱材として使われるレベル2の「煙突用石綿断熱材」とは異なるものである。
- 内装材として使われる石綿含有ケイ酸カルシウム板第一種は、断熱材として使われる第二種と比べ厚みが約2倍である。
- 石膏ボードは厚さの表示が1994年を境に改められた。9mm、12mm等の表示が9.5mm、12.5mmになった。この記載を確認することにより、製造年が判断でき、これから石綿の有無を判断できる。
【問題20】「建築工事に関する図面」に関する①~④の記述に該当する図面の名称の組み合わせのうち正しいものをイ~ニの中から一つ選びなさい。
- 建築物を建設するにあたり、担当官庁に建築物を建てる許可を得るために申請書類と一緒に提出する図面であり、設計図書の骨格である。
- 設計図書に、施工中の設計変更等の加筆修正を施した図面であり、引き渡しの段階での図面である。
- 設計図に基づき、建築工事を実施するための納まりを検討し、詳細に細部、材料、寸法などを記載した図面で施工時に使用される。
- 用途(店舗、事務所・・)、地域の種類(防火地域、準防火地域・・)、構造(木造、S造・・)の外に、駐車場の有無や階層と床面積が記載されている。
選択 ① ② ③ ④ イ 建築物概要書 構造図 断面図 外部仕上げ表 ロ 建築確認図 竣工図 施工図 建築物概要書 ハ 立面図 特記仕様書 矩計詳細図 平面図 二 天井伏図 完成図 各階詳細図 階段詳細図 【問題21】「建築図面調査」に関する①~④の記述のうち正しいものを一つ選びなさい。
- 建築図面などの借用時には、その使用目的と不要な部分の閲覧、複製をしない旨の説明をし、また、使用後確実に返却する旨を伝えれば、借用書の作成は不要である。
- 石綿を含有する建材の最新情報については、国土交通省、経済産業省が公表している「石綿含有建材データベース」を活用できる。検索した建材がこのデータベースに存在しなければ、これをもって石綿含有無しと判断して差し支えない。
- 網羅的調査は目視調査の準備として行うもので「整合性の確認表」を用い、解体や改修を行うすべての建材について、竣工図書等と現地の部屋の建材を比較確認することである。
- 建築図面が全くない場合は、目視調査に記録用紙を持参し、各階を目視のうえ、各階の断面詳細図を作成する。
【問題22】「目視調査に臨む基本姿勢と調査者の装備」」に関する①~④の記述のうち不適切なものを一つ選びなさい。
- 調査時の服装のポイントは調査作業中であることを第三者に伝えること、及び石綿粉塵からの暴露防止の対策の2点である。
- 同一パターンの部屋であれば他の部屋で試料を多めに採取し、それを小分けして他の部屋の分とする。
- まず案内人、建築物の管理者、鍵の保管者などの立会者に挨拶をしておく。
- 事務所や店舗、病院、食堂など多数の人がいる中を保護帽や防塵マスク装着で歩くことは望ましくない。
【問題23】「目視調査に臨む基本姿勢と関係者からのヒアリング」」に関する①~④の記述のうち不適切なものを一つ選びなさい。
- 定礎には一般的にその建築物の竣工時期、施主、施工業者等が刻印されている。
- 関係者とは、当該建築物について情報を持っている全ての人である。具体的には建築物の所有者のほか、建築物の管理者、改修工事の施工者、地方公共団体の担当者、不動産関係者、等であり、調査対象の建築物に長く滞在する人や、利用する人は含まれない。
- ヒアリングの方法としては、調査日前に関係者から電話で聞く、調査当日に立会者から話を聞く、調査日以降に関係者から電話で聞くなどが考えられる。
- ヒアリングの際には、調査対象の建築物のことは調査者よりヒアリング相手のほうが詳しいのであるから、相手の話を十分に聞いて否定しないこと。また話を引き出す際には専門用語はできるだけ使わないようにすることなどにも配慮する必要がある。
【問題24】「目視調査時の留意点」に関する①~④の記述のうち( )に入る文言の組み合わせとして正しいものをイ~ニの中から一つ選びなさい。
- 「目視による調査」とは、単に外観を見ることだけではなく、( )によらずに確認できる石綿有無の判断根拠について調査を行うことである。
- 「網羅的調査」においては、全ての部屋、全ての部位、( )の確認を部屋ごとに記録していく。
- 目視調査における最大の留意点は調査ミスをしないことであり、この調査ミスの最大の要因は( )である。
- 調査に当たっては書面調査のみで判断せず、現在の法制度においては、石綿を、0.1重量%を超えて含有する製品の製造、使用が禁止された( )以降に着工した建築物を除き、必ず目視調査を行い、現物を確認することが必要である。
選択 ① ② ③ ④ イ 触覚 全ての残置物 室内環境の悪さ 平成24年5月 ロ 嗅覚 全ての調度品 記入漏れ 昭和50年3月 ハ 分析 全ての建材 調査漏れ 平成18年9月 二 音調 全ての廃材 調査の遅れ 平成7年6月 【問題25】「試料採取の注意事項」に関して①~④の記述のうち( )に入る文言の組み合わせとして正しいものをイ~ニの中から一つ選びなさい。
- 吹き付け石綿などの石綿の飛散が目視などで確認できるような場合、歩行による飛散を防止する観点から、立ち入り領域に対して( )による清掃を事前に行う。
- 石綿含有建材の採取の際には、( )で湿潤化する。
- 石綿含有建材の破砕破壊は( )にする。
- 電動工具などの強い力の工具は( )場合以外使わない。
選択 ① ② ③ ④ イ ウエットティッシュ 濡れ雑巾 広範囲に 忙しい ロ 家庭用掃除機 散水ホース 短時間に 周囲が暗い ハ 小型バキューム 霧吹き 多め 時間がない 二 HEPAフィルタ付き
真空掃除機飛散抑制剤等 必要最小限 やむを得ない 【問題26】[石綿の飛散防止、保護具、安全対策] に関する①~④の記述のうち不適切なものを一つ選びなさい。
- 試料採取時は室内を閉めきり、換気扇を作動させる。
- 安全が確保できないよう箇所では決して無理な調査をしない。何よりも安全が第一であり、こうした危険な個所の場合には、調査報告書に採取不能であった理由を記載すればよい。
- 酸欠、有毒ガス暴露のおそれのある場所へは立ち入らない。
- 呼吸用保護具(マスク)は捕集効率99.9%以上のRS3またはRL3同等以上の性能を有するものを使用する。
【問題27】「石綿健康診断」「石綿含有の判断の要領」に関する①~④の記述のうち( )に入る文言の組み合わせとして正しいものをイ~ニの中から一つ選びなさい。
- 調査者の石綿調査時の石綿暴露は、石綿含有建材の除去作業に類似する可能性があることから、( )以内ごとに1回、定期に医師による健康診断を受けていなければならない業務と考えられる。
- 調査者を雇用する事業主は、その結果を、当該調査者が当該事業者において常時当該業務に従事しないこととなった日から( )年間保存しなければならない。
- レベル1の吹き付け材は目視での石綿含有の有無の判断は( )
- 石綿含有の有無が不明である場合石綿含有「みなし」とするか、分析まで行うかについては
法的に制約はなく、( )が選択することになる。
選択 ① ② ③ ④ イ 6か月 40年間 できない 調査事業者 ロ 1年 10年間 可能である 調査依頼者 ハ 1か月 3年間 できる場合もある 入居者 二 3か月 30年間 できない 関係者 【問題28】「吹き付け材の試料採取箇所」に関する次の記述の中の( ① )~( ④ )に入る文言の組み合わせとして正しいものをイ~ニの中から一つ選びなさい。
- 平屋建て建築物で施工範囲が3,000㎡未満の場合、試料は原則として、該当吹き付け施工部位の( ① )箇所以上、1箇所あたり( ② )立法cm程度の試料を採取する。
- 平屋建ての建築物で施工範囲が3,000㎡以上の場合、( ③ )㎡ごとに1箇所あたり10立法cm程度の試料を採取する。
- バーミキュライト主体の吹き付け材に関しては、厚み1mm以下がほとんどのため、この場合は( ④ )角程度の試料採取を行う。
選択 ① ② ③ ④ イ 2 5 200 20cm ロ 3 10 600 10cm ハ 10 100 300 25cm 二 5 30 500 5cm 【問題30】「目視調査の記録方法、調査写真撮影」に関する①~④の記述のうち正しいものを一つ選びなさい。
- 報告書に於いて、石綿を含有しないと判断した建材はその判断根拠を文書によって示すことが
求められているが、目視調査段階で報告書に添付できる写真の撮影までは求められていない。 - 調査に補助員がいた場合、調査者は調査に専念できるよう、写真撮影は補助員に行わせるべきである。
- 対象物の撮影は広角撮影と近接撮影(アップ)のいずれかひとつあればよい。
- デジカメはメモ代りにもなるから、たくさん撮影することが編集に役立つ。1シーンを2枚ずつ同じ位置で連続して撮るのは無駄なこと。2枚目は1歩か2歩だけ前後左右のどちらかに寄って撮る習慣を身に付ければ後から写真を選択する時に役立つ。
- 報告書に於いて、石綿を含有しないと判断した建材はその判断根拠を文書によって示すことが
【問題31】「石綿の劣化」に関する①~④の記述のうち( )に入る文言の組み合わせとして正しいものをイ~ニの中から一つ選びなさい。
- 状態は良いが吹き放し工法であり、表面が平滑ではなく粗密も多く、繊維の絡み合いも少ないので( )と判定した。
- 吹き放し工法であり、初期の吹付けロックウールがなくなっているので( )と判定した。
- 小さな傷はあるがロックウール含有量の多い吹付けロックウールで表面にセメントスラリーが施されており、表面が安定しているので( )と判定した。
- 複数部分で剥落し、天井裏に散在、堆積しているので( )と判定した。
選択 ① ② ③ ④ イ やや劣化 劣化 200 劣化 ロ 劣化 やや劣化 やや劣化 やや劣化 ハ 劣化なし やや劣化 やや劣化 やや劣化 二 やや劣化 劣化なし 劣化なし 劣化 【問題32】「建材の石綿分析」に関する次の記述の中の( ① )~( ④ )に入る文言の組み合わせとして正しいものをイ~ニの中から一つ選びなさい。
- 石綿とは( ① )状を呈しているクリソタイル、アモサイト、クロシドライト、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライトをいう。
- 石綿含有物とは石綿をその重量の( ② )%を超えて含有する製剤その他のもののことをいい、塊状の岩石は含まない。
- 石綿分析方法としては石綿含有の有無と種類についての( ③ )分析方法と、石綿がどの程度含まれているかを分析する( ④ )分析方法がある。
選択 ① ② ③ ④ イ 棒 0.3 定型 定質 ロ 泡 5.0 定質 定性 ハ 粒 1.0 定量 定型 二 繊維 0.1 定性 定量 【問題33】「建築物石綿含有調査報告書」に関する①~④の記述のうち不適切なものを一つ選びなさい。
- 過去に実施した調査報告書が存在する場合、その報告書を全ページともコピーし、今回の調査報告書に添付する。
- 石綿処理歴がある場合は、除去、封じ込め、囲い込みの区別に〇をする。年月も記入する。
- 建築物調査の結果は、今後の石綿の健康リスクを総合的に判断する最も重要な情報となるため使用頻度など判断可能な部屋の場合には、リスクに応じた記載が望ましい。建築物の管理は建築物所有者の責任範囲であるため、調査者は今後の管理の参考意見を求められても応じる必要はない。
- 石綿含有建材の事前調査結果は、石綿含有の有無にかかわらずその結果を記録する。事前調査を終了した日、または分析調査を終了した日のうちいずれか遅い日から3年間保存しなければならない。